日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラジオ波焼灼療法」の意味・わかりやすい解説
ラジオ波焼灼療法
らじおはしょうしゃくりょうほう
radiofrequency ablation
穿刺(せんし)局所療法とよばれるがんの治療法の一つ。RFAと略称される。腫瘍(しゅよう)の中に細い電極針を超音波やCTの画像でガイドしながら挿入し、約480キロヘルツのラジオ波電流を流して針の周囲に熱を発生させ、腫瘍を凝固壊死(えし)させる。
肝臓がんに対しては2004年(平成16)4月に健康保険が適用され、標準的な治療法として位置づけられている。肝細胞がんの場合、肝予備能が保たれ肝外転移や脈管侵襲がなく、腫瘍数3個以内、腫瘍径3センチメートル以内が一般に適応となる。外科療法(手術)に比べ低侵襲(痛みや苦痛が少ない)であり、治療部位からの局所再発は少ないが、治療後も十分な経過観察を行っていく必要がある。
[渡邊清高 2019年11月20日]