デジタル大辞泉 「らる」の意味・読み・例文・類語
らる[助動]
1 受け身の意を表す。…られる。
「大きにはあらぬ
2 可能の意を表す。…することができる。
「変りゆくかたちありさま、目もあてられぬこと多かり」〈方丈記〉
3 自発の意を表す。自然に…となる。つい…られてくる。
「昔物語を聞きても…人も、今見る人の中に思ひよそへらるるは、誰もかく覚ゆるにや」〈徒然・七一〉
4 軽い尊敬の意を表す。…られる。…なさる。→らゆ →る
「四十の賀、九条の家にてせられける日」〈伊勢・九七〉
[補説]奈良時代では、「らゆ」が用いられた。「らる」は平安時代になって発達し、江戸時代まで広く用いられた。2は鎌倉時代ごろまで、多く打消しの語を伴って用いられ、不可能の意を表す。なお、2・3の用法には命令形がない。口語形「られる」。