らる(読み)ラル

デジタル大辞泉 「らる」の意味・読み・例文・類語

らる[助動]

[助動][られ|られ|らる|らるる|らるれ|られよ]上一段・上二段・下一段・下二段・カ変・サ変動詞および使役助動詞「す」「さす」の未然形に付く。
受け身の意を表す。…られる。
「大きにはあらぬ殿上童てんじゃうわらはの、さうぞきたてられてありくもうつくし」〈・一五一〉
可能の意を表す。…することができる。
「変りゆくかたちありさま、目もあてられぬこと多かり」〈方丈記
自発の意を表す。自然に…となる。つい…られてくる。
「昔物語を聞きても…人も、今見る人の中に思ひよそへらるるは、誰もかく覚ゆるにや」〈徒然・七一〉
軽い尊敬の意を表す。…られる。…なさる。→らゆ
「四十の賀、九条の家にてせられける日」〈伊勢・九七〉
[補説]奈良時代では、「らゆ」が用いられた。「らる」は平安時代になって発達し、江戸時代まで広く用いられた。2は鎌倉時代ごろまで、多く打消しの語を伴って用いられ、不可能の意を表す。なお、23用法には命令形がない。口語形「られる」。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 ワラ

世界大百科事典(旧版)内のらるの言及

【ラレス】より

…古代ローマの宗教で,さまざまな場所の守護神。単数形はラルLarであるが,一般に複数形ラレスが用いられる。とりわけ家族の守護神ラレス・ファミリアレスLares Familiaresは,ペナテスとともにすべての家の小さな祠堂に神像が安置され,暦の特定の日や結婚式のように,なにか家族に重要なできごとがあった日に,供物をそなえて拝まれた。…

※「らる」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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