化学辞典 第2版 「ランゲルハンス細胞」の解説
ランゲルハンス細胞
ランゲルハンスサイボウ
Langerhans cell
皮膚有刺層にある樹状細胞で,抗原提示作用を示し,免疫反応に関与する細胞をいう.有刺層に網目状に存在し,角質層,顆粒層を通り抜けた細菌,ウイルス,異物などを取り込み捕食分解する.ヘルパーT細胞の一種で,免疫反応が過剰になるのを防ぐサプレッサーT細胞の誘導にも関与している.発見者のP. Langerhansにちなんで命名された.ランゲルハンスは,このほかにも膵臓に点在する細胞塊(ランゲルハンス島)を見つけている.膵臓の大部分は消化液を分泌する細胞からなるが,ランゲルハンス島に含まれる細胞は,インスリンやグルカゴンなどのホルモンを血中に分泌し,血糖値を一定に保つはたらきをしている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報