コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

誘導 ユウドウ

デジタル大辞泉の解説

ゆう‐どう〔イウダウ〕【誘導】

[名](スル)
さそいみちびくこと。人やものをある地点・状態にみちびいてゆくこと。「車を停止位置に誘導する」「客を非常口へ誘導する」
電気磁気が、その電場磁場の中にあるものに対して作用を及ぼすこと。静電誘導磁気誘導電磁誘導など。感応。
発生学で、のある部域の分化の方向が、近接する他の胚域からの影響によって決定されること。眼杯によってレンズが誘導され、レンズによって角膜が誘導されるなど。→形成体

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

パラグライダー用語辞典の解説

誘導

フライトコースを指示すること。スクールの際、特に初心者に対して行われる。誘導にはトランシーバー・メガホンなどを使い時には旗なども用いられる。

出典|パラグライダー用語辞典について | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ゆうどう【誘導 induction】

動物発生学上の用語。脊椎動物の個体発生の過程では,胚のある部域(胚域)Aが他の部域(胚域)Bになんらかの作用を及ぼして,胚域Bの形成可能性を決定づけ,一定の組織器官を形成させるという現象があいつづいて起こる。この場合には,胚域Aは作用系であり,また胚域Bは反応系となっている。このように胚のある部分が作用系として他の部分になんらかの刺激を与え,その形成可能性の実現を誘発することを誘導という。たとえばイモリ初期囊胚の原口背唇部は,他の初期囊胚に移植されると陥入して脊索や中胚葉に分化するが,一方では形成体(オーガナイザー)としてそれに接する宿主胚の外胚葉神経管の形成を誘発する。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ゆうどう【誘導】

( 名 ) スル
人や物をある場所や状態にさそい導くこと。 「生徒を安全な場所に-する」
電気や磁気が、電場や磁場にある物体に影響を及ぼすこと。また、その作用。感応。電磁感応。
動物の発生過程において、胚はいのある部分が、それに接する他の胚域からの影響によってどのような器官・組織になるか決定される現象。このような誘導作用をもつ胚域を形成体(オルガナイザー)という。
細胞内で酵素の合成が促進されること。酵素誘導。 → 誘導酵素

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

誘導
ゆうどう

発生学において、胚(はい)のある部域(組織)の分化が、近接する部域(組織)の影響によって決定される現象をいう。誘導は、発生学のもっとも重要な概念の一つである。
 顕著な例としては、予定外胚葉が形成体からの影響によって神経への分化を引き起こされる現象があるが、そのほかにも多くの誘導の例が知られる。たとえば、眼杯はそれに接した表皮にレンズを誘導し、ついでレンズが表皮に作用して角膜を誘導する。この場合、最初の誘導では眼杯が誘導系で表皮が反応系であり、次の誘導ではレンズが誘導系になる。多くの器官について数次にわたる誘導が知られており、実際の胚発生は誘導の連鎖によって正常な分化が保障されていると考えられる。
 誘導の本質についてはなお不明の点が多いが、タンパク質のような化学物質が重要である場合や、誘導系が反応系に対して特定の物理的環境を提供することが重要な場合などが想定されており、また誘導系と反応系がきわめて近接していないと誘導がおこらない場合や、そうでない場合が知られている。誘導は誘導系のみが活動的であればおこるのではなく、反応系の反応性も重要であり、表皮の眼杯の誘導に対する反応性は両者が接する時期にもっとも高いことが知られている。また多くの組織は実験的に誘導系を取り除いても自律的に分化する能力を備えていて、正常発生では誘導系の誘導能、反応系の反応性と自律分化能が時間的・空間的に整合的に出現することが、秩序正しい発生を可能にしている。[八杉貞雄]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の誘導の言及

【発生】より

… この原条の前方域および原腸蓋は形成体organizerとよばれ,まもなくその部位では活発な形態形成運動がくり広げられる。この細胞群は胚の中では最も早く組織分化を起こし,中でもその中心をなす予定脊索部は胚体の正中線上に位置し,みずからは急速に前後に伸長して棒状の支持器官に発達しながら,上方に接する外胚葉には神経管の,また左右に接する中胚葉には体節の形成を誘導する(図4)。(1)外胚葉性器官 神経管は,脊索の伸長につれて前後に伸びながら,やがて前方は脳および眼(脊椎動物のみ)に,また後方は脊髄に分化して,中枢神経系をつくり上げる。…

【発生学】より

… このような発生の後成的側面の説明は,多細胞生物においては,個々の細胞は自律的でなく,細胞間の相互作用が必然的に存在する,という点に求められるのである。古典的な後成論の全盛時代である20世紀の前半において,発生の説明のための基本的概念とされてきた誘導inductionも,発生における細胞間の相互作用をいうものであり,1970年代になって提唱された発生における位置情報positional informationの概念も,同じカテゴリーのものである。 現在において,これら二つの異なった立場は対立する二つの考え方による違いではなく,学説として対比されるべきものでもない。…

【目∥眼】より

…イモリやサンショウウオなどの有尾両生類では,眼胞や眼杯を取り除くと水晶体胞の形成が見られず,また,眼胞を予定水晶体域以外の表皮下に移植すると,移植された眼胞に接する表皮から水晶体胞が形成されることが確かめられている。このような現象を眼杯による表皮からの水晶体胞の誘導と呼んでいる。水晶体胞の網膜に面した部域の細胞が伸長し,水晶体繊維に分化することにより水晶体が完成するが,この過程に網膜が関与している。…

※「誘導」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

誘導の関連キーワードインダクションモーターロイシン誘導性低血糖症インダクションコイル相互インダクタンスインダクティブ充電電磁誘導雷サージ静電誘導雷サージインダクションオルガナイザー電磁誘導の法則非接触誘導充電単相誘導電動機マーシャルくん誘導(物理)点字ブロック電磁誘導加熱レンツの法則誘導起電力誘導電動機誘導電気炉

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

誘導の関連情報