日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランタン・リルン山」の意味・わかりやすい解説
ランタン・リルン山
らんたんりるんさん
Langtang Lirung
ネパール・ヒマラヤ中央部、チベットとの国境地帯にあるランタン・ヒマール山脈の主峰。同山脈の西部に位置する。標高7245メートル。高度はそれほどでもないが、北から西へ流れるランタン・コーラ谷の北にそびえる急峻(きゅうしゅん)な山で、登頂は困難である。1949年、イギリスの登山家ティルマンが初めて登山ルートを探査し、52年にはスイスのハーゲン、54年にはオーストリアのアウフシュナイター、58年には日本の深田久弥(ふかたきゅうや)が周辺を調査した。61年、大阪市立大学隊が初めて登頂を試みたが、雪崩(なだれ)で隊長と隊員、シェルパ各1名を失った。これは日本で最初のヒマラヤにおける遭難であった。その後三度の挑戦と登山禁止を経て、78年10月24日、大阪市立大学とネパールのトリブバン大学合同隊がついに初登頂に成功した。
[金子史朗]