ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラーダー」の意味・わかりやすい解説
ラーダー
Rādhā
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…英雄クリシュナはまた牧女たちのあこがれの的であった。特に牧女ラーダーRādhāは,牧歌的抒情詩《ギータゴービンダ》により,彼の愛人として有名である。彼の正妻はルクミニーであり,彼女の産んだプラデュムナは愛神カーマの化身とされる。…
…後世有名なのは〈10化身〉説で,それによれば,ビシュヌはこの世に,魚,亀,野猪,人獅子,小人,パラシュラーマ,ラーマ,クリシュナ,ブッダ,カルキとして現れるという。なかでもラーマとその妃シーター,クリシュナとその妃ラーダーは,しばしば文芸の対象になり,広くインド全土で熱烈に崇拝されてきた。この派の存在は,前5~前4世紀以降の文献などによって確かめられるが,その教義がまとまった形をとったのは,叙事詩《マハーバーラタ》の一部に組み込まれている《バガバッドギーター》においてである。…
…同時期のムガル細密画の影響を無視できないが,主題,画法ともに大いに異なり,ラージプート絵画はヒンドゥー教ことにビシュヌ神信仰と深く結びついて展開した。最も好まれた主題は,若くて美しい牛飼いの青年クリシュナと乳しぼりの乙女ラーダーとの恋である。ビシュヌ神の化身であるクリシュナの伝説は《バーガバタ・プラーナ》に詳しく,12世紀末のジャヤデーバの《ギータゴービンダ(牛飼いの歌)》はクリシュナと牧女との恋を美しくうたい上げている。…
※「ラーダー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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