ジャヤデーバ(読み)じゃやでーば(英語表記)Jayadeva

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャヤデーバ」の意味・わかりやすい解説

ジャヤデーバ
じゃやでーば
Jayadeva

生没年不詳。12世紀ごろ活躍したインド叙情詩人。ベンガルの生まれ。ラクシュマナセーナ王の宮廷詩人として、その五宝とよばれた詩人の一人。熱烈なビシュヌ神の崇拝者で、12章からなるサンスクリットの叙情詩『ギータゴービンタ』(牛飼いの歌)を残した。この詩は、ビシュヌ神の権化クリシュナが牛飼いとして育てられ、牛飼い女ラーダーと恋をする話を主題としているが、官能的な恋愛叙情詩の背後に、神と人間との関係を説いているといわれる。ビシュヌ派文学の先駆をなし、各種の韻律を用いるなど修辞的技巧を駆使している。

[田中於莵弥]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャヤデーバ」の意味・わかりやすい解説

ジャヤデーバ
Jayadeva

インドのサンスクリット詩人。 12世紀後半頃在世。ベンガルのラクシュマナセーナ王の宮廷詩人。クリシュナ神とその愛人ラーダーを崇拝する陶酔的な詩篇ギータゴービンダ』を著わした。

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