改訂新版 世界大百科事典 「ラーワルピンディー」の意味・わかりやすい解説
ラーワルピンディー
Rāwalpindī
パキスタン北部,パンジャーブ州北西端のポトワル台地上の都市。人口140万9768(1998)。パンジャーブ平原とハイバル峠を東西に擁し,かつ北方の山岳地帯への道路の分岐点という交通上・戦略上の要衝を占める。旧市の南郊には広大な兵営地区(カントンメント)が広がり,英領時代にはロシアの南下政策にそなえる英領インド最大の軍事駐屯地であった。現在もパキスタン陸軍総司令部が置かれている。市の歴史は14世紀以前にさかのぼるが,発展したのは1849年の英領化以降である。周辺からの小麦,トウモロコシ,羊毛,また北方からの木材を集散する。鉄道,鉄鋼,兵器,電機などの工場のほか,精油工場が立地し,原油は南西方のドゥーリアン油田からパイプラインで供給される。北東方の新首都イスラマーバード建設中(1959-70)はパキスタンの暫定首都であった。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報