リコリン

化学辞典 第2版 「リコリン」の解説

リコリン
リコリン
lycorine

C16H17NO4(287.32).ヒガンバナLycoris radiataの主アルカロイド.各種ヒガンバナ科植物中に広く分布する.分解点276 ℃.-120°(エタノール).エタノール,石油エーテルクロロホルムに可溶.アメーバ赤痢に有効であるといわれており,細胞分裂に対してはコルヒチン様の細胞分裂促進作用をもつ.毒性がやや強い.LD50 41 mg/kg(イヌ静注).[CAS 476-28-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のリコリンの言及

【スイセン(水仙)】より

…スイセン栽培の盛んな国はイギリス,アイルランド,オランダ,ニュージーランド,オーストラリア,アメリカである。鱗茎にはグルコマンナンやアルカロイドのリコリンlycorineを含有し,猛毒であるが,薬用にされることがある。
[栽培]
 排水と日当りのよい所に,骨粉,硫酸カリを元肥に入れ,秋に球根の高さの約2倍の深さに植える。…

【有毒植物】より

… 以上のような有毒植物に対しワラビのプタキロサイドやソテツのサイカシンなどにはいずれも,長期の摂取による発癌性が認められている。ヒガンバナなどリコリンやシュウ酸を含む植物と同様に,水にさらせば無毒化する。カラシナなどアブラナ科の植物は体内でゴイトリンを形成し,甲状腺でのヨウ素の取込みを阻害して甲状腺腫多発の原因となる。…

※「リコリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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