リソグラフィー

関連語 名詞

化学辞典 第2版 「リソグラフィー」の解説

リソグラフィー
リソグラフィー
lithography

トランジスターのパターンや配線などをつくるために使われる写真技術の応用.薄膜上に光や電子ビームにより架橋反応や結合が切れたりして,分子量が変化する有機物質を形成する.これは写真では感光に相当する.そして,必要なパターンに応じて有機物質に光や電子ビームを照射する.その後,分子量が変化したため,溶媒中で不要な部分が溶解した有機膜のパターンができる.これが写真の現像に相当する.これをマスクにして薄膜をエッチング除去してパターンを形成する.感光に用いた光により名称が異なり,紫外線の場合をとくにフォトリソグラフィーという.感光のための光の波長により加工できる最小寸法が決まるので,短波長の光源開発が重要となる.波長の短い電子線では,それ自体のオン・オフでパターンを任意に形成できるというメリットがあるが,パターンの描画に時間がかかるという問題がある.X線を用いた場合には,X線を透過しないマスク材料の開発が問題となっている.【半導体素子の発達以前は,リソグラフィーとは石版印刷や平版印刷のことであった.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android