日本大百科全書(ニッポニカ) 「リダウト火山」の意味・わかりやすい解説
リダウト火山
りだうとかざん
Redoubt Volcano
アメリカ合衆国のアラスカ州南西部、アンカレッジの南西約170キロメートルにある成層火山。標高3108メートル。隣接するスパー火山と並んでクック湾の活発な火山の一つ。有史の活動は山頂部にある崩壊カルデラの内部でおこっている。1989~1990年の噴火ではしばしば噴煙が12キロメートル上空まで上がり、溶岩円頂丘(溶岩ドーム)が形成されるとともに、火砕流や泥流が発生し続けた。この噴火はクック湾近郊の経済に大きな影響を与え、同地域の上空を通過する航空機が火山灰を吸い込んだためにエンジンを停止させるなど、太平洋路線にも大きな障害となった。2009年にも噴火し、新たな溶岩円頂丘が形成された。レイク・クラーク国立公園内にある。
[中田節也]