出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…公定利率は月に1ディーナールにつき1ディルハムで,月利約6分7厘,年利約8割であったが,時代の推移と借入条件によって大きく変動している。それはコーランで禁止している不労所得にもとづく〈リバー(利子)〉ではなく,資本委託によって得られる〈利潤(ムガーバナ)〉であるとする解釈によって許容されたものである。しかし民間流通市場における利率は,公定利率とは異なり,複利計算によって利息が加速度的に増大し,借入元金1ディーナールが9年目には500ディーナールを超過するに至る事例がある。…
…しかし南宋の袁采は,質屋の利息は月利2~4分,借金月利3~5分,穀物1熟3~5割が常識であるのに,質屋で月利1割,江西で1貫文を貸して1年後に元利計2貫文,浙江の奥地で1秤の稲を貸して1熟で2秤と年利10割を取る者,1石の米を貸して1石8斗を取る者がいる,と実情を述べ,元代でも1期に5~10割の利を取り,不払いのとき元利を合わせて次年にまた利を取った例もある。【斯波 義信】
[イスラム社会]
アラビア語ではリバーribā’と呼ばれ動詞rabā(増殖する)より派生し,〈増殖〉を原義とするが,転じて〈(資本主の)不当増殖〉〈高利〉〈利子〉を指す語である。ただし,イスラム法における利子の概念は西洋のそれよりも広い意味内容をもち,売手と買手の間における,給付に対する正当な反対給付ではなく,不労所得として得られる利益のすべてに適用される。…
※「リバー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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