ルジェビッチ(読み)るじぇびっち(その他表記)Tadeusz Różewicz

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルジェビッチ」の意味・わかりやすい解説

ルジェビッチ
るじぇびっち
Tadeusz Różewicz
(1921―2014)

ポーランド詩人劇作家、散文作家。ドイツ占領下で国内軍のパルチザン部隊に加わって戦い、地下秘密新聞の発行に協力する一方、詩・短編集『森のこだま』をサティルSatyrなる筆名で出した。解放後クラクフのヤギェウォ大学美術史科に入った。戦争と占領の体験から現代市民社会の道徳的問題に取り組む。処女詩集『不安』(1947)以来多数の詩集のほか、その一貫したモチーフを戯曲『カード目録』(1960)などにグロテスクな手法で描いた。詩集に『微笑』(1955)、『第三の顔』(1968)、戯曲に『ラオコーン・グループ』(1962)、『白い夫婦』(1975)、散文集に『中断された試験』(1960)、『博物館見学』(1966)などがある。

[吉上昭三・長谷見一雄]

『米川和夫訳『北の十字架――ポーランド詩集』(1987・青土社)』

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