改訂新版 世界大百科事典 「ルツーリ」の意味・わかりやすい解説
ルツーリ
Albert John Luthuli
生没年:1898-1967
南アフリカ共和国の民族運動指導者。アフリカ人で最初のノーベル賞(平和賞)受賞者。ローデシア(現,ジンバブウェ)のソルシ伝道所で生まれ,ダーバンのアダムズ・カレッジの教師を務めた後,サトウキビ農園の監督官となった。1951年南ア政府のアパルトヘイト政策に反対してアフリカ人民族会議(ANC)ナタール支部長となり,反人種主義運動を展開したため,何度か自宅拘禁された。彼の非暴力主義,白人との協調に反対して59年にANC内の過激グループによって結成されたパン・アフリカニスト会議(PAC)が60年3月パス法に反対してシャープビル事件を起こし,ルツーリも逮捕された。60年12月にノルウェーでノーベル平和賞が授与され,アメリカは亡命を勧めたが,拒否し南アにとどまった。67年7月21日鉄道事故で死亡した。
執筆者:林 晃史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報