一人(読み)ヒトリ

デジタル大辞泉 「一人」の意味・読み・例文・類語

ひと‐り【一人/独り】

[名]
1 人数が1であること。一個の人。いちにん。「―に一つずつ配る」「乗客の―」
2 仲間・相手がいなくて、その人だけであること。単独。「―で悩む」「―でいるのが好きだ」
3 他の人の助けを借りず、その人だけですること。独力。自力じりき。「―ではなに一つ満足にできない」「―で解決する」
4 配偶者のないこと。独身。「いまだに―でいる」
[副]
1 物事をその人だけでするさま。単独で。「―読書に励む」「―物思いにふける」
2 打消しの語を伴って、ある物事だけに限ったことではないという気持ちを表す。ただ。単に。「―現象にとどまらず、本質に迫るべきだ」
3 ひとりでに。自然に。
「むつかしくもぢれたるもの、―さばくるといへり」〈三冊子・黒双紙〉
[類語](1)一人いちにん・一名・一個・一介・一員/(2)単独・単身・身み一つ・孤独・独りぼっち・紅一点・孤立・人っ子一人・一人天下・孤高/(3)独り立ち・独立・独立独歩・自活・自立・一本立ち・独り歩き・自力・独力・独歩・専行・独行・孤軍奮闘・一匹狼・アウトサイダー・異端者・異分子/(4)独身・独り身・独り者・未婚・シングル・チョンガー

いち‐にん【一人】

1 ひとり。ひとりの人。
「代助は人類の―として」〈漱石・それから〉
2 その土地や分野で第一であること。
「十ヶ年立たぬうちに五千両の分限にさされ、―の才覚者といはれ」〈浮・永代蔵・二〉
3 右大臣の異称。
[類語]一人ひとり・一名・一介・一個

いち‐じん【一人】

《天下にただ一人の意》天子。天皇。上御一人かみごいちにん。
「―を始め進まゐらせて百官皆椒房せうばうの月に涙を落とし」〈太平記・三三〉

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精選版 日本国語大辞典 「一人」の意味・読み・例文・類語

いち‐にん【一人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 人、ひとり。また、ひとりの人。いちじん。
    1. [初出の実例]「勅〈略〉物天下物非二一人用一」(出典:続日本紀‐宝亀一一年(780)六月戊戌)
    2. 「年たけたる僧一人(イチニン)あり」(出典:発心集(1216頃か)二)
  3. ② ある人。なにがし。〔史記‐商君伝〕
  4. ③ その土地や領域で第一であること。また、その人。第一人者。
    1. [初出の実例]「五千両の分限にさされ、一人の才覚者といはれ」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)二)
  5. ④ 右大臣の異称。
    1. [初出の実例]「天子を一人(いちじん)、太子を一人(いちんど)、関白を一所(いちのところ)、〈略〉と云」(出典:有職小説(江戸中)(古事類苑・官位七))
  6. ⑤ 天皇の異称。
    1. [初出の実例]「一人之出百僚卒従二威儀一」(出典:醍醐寺文書‐延元三年(1338)五月一五日・北畠顕家奏状)
    2. 「上は一人(イチニン)より下は婆々嫁々にいたるまで」(出典:読本・昔話稲妻表紙(1806)四)
  7. ⑥ 一日一人分の作業量や賃金。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

いち‐じん【一人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① =いちにん(一人)
    1. [初出の実例]「万民主不レ阿二一人(イチジン)一」(出典:文明本節用集(室町中))
  3. ② ( 天下の唯一人者という意から ) 天皇をいう。上一人(かみいちじん)。
    1. [初出の実例]「或塩二梅於天下一、輔二導一人一」(出典:本朝文粋(1060頃)一三・北野天神供御幣并種々物文〈大江匡衡〉)
    2. 「太政大臣は、一人(ジン)に師範として、四海に儀けいせり」(出典:高野本平家(13C前)一)
    3. [その他の文献]〔書経‐君奭〕

ひ‐だり【一人】

  1. 〘 名詞 〙 =ひとり(一人)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「蝦夷(えみし)を毗利(ヒダリ)百(もも)な人」(出典:日本書紀(720)神武即位前・歌謡)

いち‐ひと【一人】

  1. 〘 名詞 〙 最もすぐれた人。第一人者。
    1. [初出の実例]「いち人の、みめのよひは、田中ごんのかみのまま娘」(出典:虎明本狂言・法師が母(室町末‐近世初))

ひっとり【一人】

  1. 〘 名詞 〙 「ひとり(一人)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「もたれたがる・ひっとりひとりお通夜の衆」(出典:雑俳・軽口頓作(1709))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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