ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レシト・パシャ」の意味・わかりやすい解説
レシト・パシャ
Reşit Paşa, Mustafa
[没]1858.1.7. イスタンブール
オスマン帝国末期の政治家。早くから大宰相セイト・アリー・パシャの書記局に入り,行政実務を経験した。 18歳のとき,彼とともにモレアにおもむき,そこでギリシア人の民族独立運動を体験。 1831年外務大臣付き書記局長,34年駐フランス大使,36年外務大臣となった。 39年外務大臣の資格のまま駐イギリス大使をつとめたが,マフムート2世の死とともに帰国し,新スルタン,アブドゥル・メジト1世を説得して「ギュルハネ勅令」を発表した。これによって,オスマン帝国はタンジマート改革時代を迎えるとともに,「近代化」の方向をヨーロッパ諸国に示し,その支持を得ることに成功した。タンジマート期を通じて5回大宰相をつとめ,終始改革の推進役を果した。
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