ギュルハネ勅令(読み)ギュルハネちょくれい(英語表記)Gülhâne hatt-i hümâyunu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギュルハネ勅令」の意味・わかりやすい解説

ギュルハネ勅令
ギュルハネちょくれい
Gülhâne hatt-i hümâyunu

1839年,オスマン帝国第 31代スルタンアブドゥル・メジト1世一連の近代化改革 (→タンジマート ) の実施を約束した宣言。 18世紀末以後,オスマン帝国の衰退は著しく,その領土分割は「東方問題」となって現れ,国内においても地方政権の形成とキリスト教徒少数民族の独立運動とが,帝国分裂の危機を招いていた。スルタンは国政の改革,近代国家の建設により危機を乗越えようとした。内容は,すべての帝国民の生命,財産,名誉の保障,人種と信仰とによる差別撤廃,公開裁判の実施,兵役年限の規定,徴税制度の改革など。

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