レファレンス・レンジ(英語表記)reference range

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レファレンス・レンジ」の意味・わかりやすい解説

レファレンス・レンジ
reference range

参考相場圏のこと。世界経済の持続的な成長や不均衡是正を目的として各国為替相場一定の範囲内に安定させようとする考え方。 1986年東京での主要国首脳会議 (サミット) において,世界経済の持続的な成長や不均衡是正を達成するために先進5ヵ国で政策協調をはかることとし,重要な経済指標についてサーベイランス (多角的監視) を行うことが決定された。指標の一つとして為替レートが取上げられ,その際の目安として採用されたのがレファレンスレンジである。相場を一定の範囲内に安定させようとする点ではターゲットゾーンと同じであるが,この考え方が相場の変動を一定の範囲内に収めるために強力な介入も辞さないというのに対して,レファレンス・レンジは各国のサーベイランスを重視した整合性のある経済政策の結果として達成すべきものとされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android