主要国の首脳が経済や外交・安全保障など地球規模の重要課題で政策協調を目指す会議。山頂を意味する英語で「サミット」とも呼ばれる。原則として年1回開かれ、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの先進7カ国(G7)が参加。安倍晋三首相は昨年、三重県志摩市をメイン会場にした伊勢志摩サミットの議長を務めた。一時期メンバーだったロシアは2014年以降、ウクライナ危機を受けて排除されている。
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主要国の首脳が国際社会の問題について協議する国際会議。主要国のトップが集まることからサミット(Summit、「頂上」の意)とよばれるほか、参加国数から「G7(ジーセブン)首脳会議Group of Seven Summit」などとよばれることもある。主要国首脳会議は、オイル・ショック後の世界経済運営について協議するため、フランスの大統領ジスカール・デスタンが提案し、1975年にパリ郊外のランブイエ城でフランス、日本、アメリカ、イギリス、西ドイツ、イタリアの6か国首脳が集まって始まった。翌1976年にカナダが参加し、1977年からはヨーロッパ共同体(EC。現、ヨーロッパ連合=EU)委員長も参加。1991年以降、ソビエト連邦(1992年からロシア)首脳が段階的に参加し始め、1997年から正式加盟国となったが、2014年にクリミア半島を一方的に編入したことで参加国から排除された。当初、先進国首脳会議と称したが、ロシア参加後、主要国首脳会議に変わった。2023年時点の参加国は日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの7か国で、参加地域としてEUが加わる。
会議では、世界経済や国際政治から環境、開発、貧困、紛争、テロ、麻薬、組織犯罪、感染症に至るまでの幅広いテーマについて、首脳らが一つのテーブルを囲んで討議し、最終日に首脳宣言として成果を発表する。会議は年1回、各国の持ち回りで開催。開催国が議長国となり、各国首脳は「シェルパ」とよばれる補佐役を通じて準備を進める。首脳会議のほか、財務相会議、外相会議なども開かれ、広義には、こうした担当大臣会議を含めて主要国首脳会議とよぶ。近年、中国、インド、韓国、オーストラリア、ブラジル、南アフリカなどの首脳を招くケースも増えている。また、会議にあわせ、主要国を中心に経済団体(B7)、女性団体(W7)、環境団体、人権団体などさまざまな国際組織や民間団体が会議を開き、首脳に向けた主張・提言をすることが一般的になっている。
開催地は当初、開催国の首都近郊が多かったが、最近は警備のしやすい保養地や歴史的に独自文化をもつ地域で行われる例が多い。日本での開催は1979年(昭和54)、1986年、1993年(平成5)が東京、2000年(平成12)は九州・沖縄、2008年は北海道・洞爺(とうや)湖、2016年は伊勢・志摩、2023年(令和5)は広島。参加国は市場経済、民主主義、法の支配といった価値観を共有しており、新興国を含む20か国・地域首脳会議(G20)などに比べ合意形成が容易とされる。一方で主要国首脳会議にはグローバル化による環境破壊や格差拡大を助長しているとの批判があり、大規模デモ(2001年ジェノバ)が行われたり、テロ(2005年ロンドン)の標的になったりしたことがある。
[矢野 武 2023年12月14日]
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