レーザー核融合炉(読み)レーザーカクユウゴウロ

デジタル大辞泉 「レーザー核融合炉」の意味・読み・例文・類語

レーザー‐かくゆうごうろ〔‐カクユウガフロ〕【レーザー核融合炉】

重水素三重水素とからなる燃料に、レーザー光線を照射して爆発的に圧縮し、超高密度のプラズマを発生させることによって核融合を起こさせようという核融合炉。現在研究が進められている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レーザー核融合炉」の意味・わかりやすい解説

レーザー核融合炉
レーザーかくゆうごうろ
laser fusion reactor

レーザービームを使って慣性核融合を行ない,エネルギーを取り出す炉である。重い物質でできたカプセル (タンパーという) の中に固体状態に冷やした重水素と三重水素が入っている。このカプセルを炉の中心に置き,短い強力なパルスのレーザーを照射して重水素・三重水素混合物を加熱・圧縮する。発生したエネルギーは液体リチウムの第一壁で吸収され,熱交換を行なったあと電気エネルギーに変換される。液体リチウム壁を用いることにより,核融合反応で発生する高いエネルギーの中性子による炉壁の放射損傷をなくすと同時に三重水素の生産ができる。現在は,カプセルの内部を固体密度の数百倍まで圧縮することに成功している。

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