レーザー核融合(読み)レーザーかくゆうごう(その他表記)laser fusion; nuclear fusion by laser beam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レーザー核融合」の意味・わかりやすい解説

レーザー核融合
レーザーかくゆうごう
laser fusion; nuclear fusion by laser beam

重水素D,三重水素Tよりなる燃料を微小な粒 (球状ペレット) に封入し,それに大出力のレーザー光線を短時間に集中して照射し,その燃料粒を圧縮して圧力と温度を高め,核融合反応を発生させる方法。レーザーのほか電子ビームや荷電粒子ビームを使う考えもある。非常に短い時間に大量のエネルギーを集中し,燃料が熱運動で四散する前に核融合反応を終えようとする方法で,慣性閉じ込め方式核融合とも呼ばれる。プラズマ磁場で閉じ込め,徐々に温度を上げて核融合反応を起こすトカマクなどの磁場閉じ込め方式と比べると,閉じ込め時間は短いが,燃料の密度固体の数百倍から数千倍になるよう圧縮して核融合可能条件であるローソン条件を満たすことを目的とする。レーザー核融合ではエネルギードライバーとして強力なレーザーが必要である。エネルギープラントとして成立するためには,数 MJのドライバーによって 500~1000MJの核融合エネルギー出力を得る必要がある。核融合を目的とするガラスレーザーには,アメリカのローレンスリバモア研究所の「ノバ」 (100KJ) やロチェスター大学の「オメガX」 (4KJ) ,大阪大学の「激光 XII号」 (20KJ) などがある。ノバは 1.5~2MJに増強する計画がある。また短波長の KrFレーザーの開発注目を集めている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む