ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レーナル」の意味・わかりやすい解説
レーナル
Raynal, Guillaume-Thomas
[没]1796.3.6. シャイヨー
フランスの著述家。フランス革命を思想的に準備した一人。イエズス会で教育を受け,パリで聖職についたが,信仰を捨て,著述家の生活に入った。主著『両インドにおけるヨーロッパ人の諸機関と通商の哲学的政治的歴史』 Histoire philosophique et politique des établissements et du commerce des Européens dans les deux Indes (6巻,1770) は,反植民地主義,教会と王党派へのきびしい批判に満ちており,1774年ローマ・カトリック教会の禁書とされたが,革命まで 30版を重ね広く読まれた。 81年には本人も国外に追放された。 89年の革命後は全国三部会の一員に選ばれたが,暴力に反対する立場からこれを拒否。のち国民公会に財産を没収され,貧窮のうちに没した。
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