スティール(読み)すてぃーる(英語表記)Sir Richard Steele

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スティール」の意味・わかりやすい解説

スティール
Steele, Sir Richard

[生]1672.3.12. 〈洗礼ダブリン
[没]1729.9.1. カマーザン
イギリスのジャーナリスト劇作家。オックスフォード大学を出て軍人となり大尉昇進。王政復古期喜劇趣向教訓調を加えた喜劇『やさしい夫』 The Tender Husband (1705) などの戯曲を書き,次いでエッセー新聞『タトラー』 The Tatlerを 1709年に創刊,11年に廃刊,その2ヵ月後友人アディソンと『スペクテーター』 The Spectatorを発刊。これは新興の市民階級の読者を目標に,日常の出来事や演劇,文学,風俗などを取上げて,穏やかな調子で啓蒙的教訓を与えるもので,当時の風俗をよくうかがわせる。また政治評論でも活躍し,国会議員にも当選したが,晩年はアディソンとも仲たがいし,不遇であった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スティール」の意味・わかりやすい解説

スティール(Clyfford Still)
すてぃーる
Clyfford Still
(1904―1980)

アメリカの抽象表現主義、カラー・フィールド・ペインティング画家。ノース・ダコタ州グランディンに生まれ、ニューヨークに没す。スポケーン大学、ワシントン州立大学大学院に学ぶ。1930年代まではヨーロッパの近・現代美術の諸傾向の影響を受けていたが、アメリカ西部の広大な風物抽象化する絵画を描くにつれて自己の作風確立に向かう。40年代の中ごろから大画面に厚塗りで不定形の色面と線を配した作品を制作。それはポロック、ニューマン、ロスコと共通する過去の造形を超えた空間を構築し、自然と感情を抽象的に表す内容を有している。代表作に『絵画』(1951・ニューヨーク近代美術館)がある。

藤枝晃雄


スティール(Sir Richard Steele)
すてぃーる
Sir Richard Steele
(1672―1729)

イギリスのジャーナリスト、劇作家。アイルランド生まれで、初め軍人であった。その後劇作に転じ、喜劇『葬式』(1701)を書いた。1705年の『やさしい夫』は、前代の喜劇と違い、教訓調と感傷的気分を特色とし、いわゆる感傷喜劇の代表とされる。1709年に随筆を主とする新聞『タトラー』を創刊したが、友人アジソンとともに1711年に同じような新聞『スペクテーター』を創刊して有名となった。のちにアジソンと不仲となり、劇評新聞『劇場』を出したり、政治論文も試みた。喜劇『さめたる恋人』(1722)も商人の生き方を表現して有名。

[岡 照雄]

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