日本大百科全書(ニッポニカ) 「レーノー」の意味・わかりやすい解説
レーノー
れーのー
Paul Reynaud
(1878―1966)
フランスの政治家。保守派下院議員(1919~1924、1928~1940)として財務相、植民地相などを歴任(1930~1932)。1930年代には平価切下げによる不況克服を提唱し、またドゴール大佐の機甲師団創設案を支援するが、どちらも世間の理解を得られず、荒野に叫ぶ予言者にとどまった。1938年ダラディエ内閣の国璽(こくじ)相ついで財務相となりフランスの軍備強化を目ざした。第二次世界大戦中の1940年3月ダラディエにかわって首相に就任し、対独徹底抗戦を唱えフランスのチャーチルたらんとするが、同年6月戦局悪化により休戦派のペタンに後をゆだね辞職。大戦中はドイツに抑留されたが、戦後政界に復帰し財務相(1948)などを務めた。
[平瀬徹也]