日本の国家の表章としての官印。1868年(明治元)1月各国公使に王政復古を通達する国書に「大日本国璽」の印を用いた例もあるが,正式に定められたのは71年。伊達宗城(むねなり)を欽差全権として清国に派遣するにあたり,御璽の改刻とともに,国書に鈐(けん)するため新たに国璽を刻した。いずれも石材であったが,74年御璽とともに金製に改められた。国璽の印文はいずれも「大日本国璽」。第2次大戦前は公文式・公式令で国璽を使用すべき場合が規定され,国書・条約批准書・委任状・勲記などに鈐したが,戦後は規定する法令はなく,実際には勲記のみに用いられる。国璽・御璽とも戦前は内大臣が尚蔵していたが,戦後は宮内庁の侍従職が保管。
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