知恵蔵 の解説 ロシア正教会と在外ロシア正教会 2007年5月17日、ロシア正教会のアレクシー2世総主教と在外ロシア正教会のラブル府主教が、モスクワで両教会の再統一を承認する「宗派交流文書」に署名した。これにより、1927年から断絶していた両者の関係が、80年ぶりに修復されたことになる。在外ロシア正教会は、17年のロシア革命で、世界各地に亡命したロシア人によってつくられた。当初、在外ロシア正教会はモスクワを総本山とするロシア正教会に所属していたが、当時のロシア正教会の最高指導者がソビエト政府寄りの姿勢を表明したため、27年に関係が断絶した。ロシア正教会の信者はロシア内外に約1億6000万人、在外ロシア正教会の信者は、世界約40カ国に約50万人いるとされる。今回の再統一により、在外ロシア正教会はモスクワの総主教を長とするロシア正教会に所属することになるが、聖職者の任命や財産管理などの自治は維持する。 (岩井洋 関西国際大学教授 / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by