ロシュ会社(その他表記)F.Hoffmann-La Roche & Co.AG

改訂新版 世界大百科事典 「ロシュ会社」の意味・わかりやすい解説

ロシュ[会社]
F.Hoffmann-La Roche & Co.AG

スイスの世界最大規模を誇る製薬会社。本社バーゼル。1896年ホフマンFritz Hoffmann(1868-1920)によりバーゼルに設立された製薬会社が前身。1919年に現社名となる。33年にビタミンCの合成に成功,続いて38年にビタミンE,46年にビタミンAの合成にも成功し,ビタミンのロシュとして有名になった。第2次大戦後,香料,試薬,医療用機器,農薬の分野に進出,76年には液晶材料の販売も始めている。海外における売上げが多く,世界55ヵ国に販売拠点がある。日本には系列会社日本ロシュ(1924設立)があったが,2002年中外製薬と合併した。グループの持株会社ロシュ・ホールディングRoche Holding Ltd.が中外製薬の株式50.1%を保有している。なおカナダにあるサパック社Sapac Corp.はロシュ社と双子会社で,どちらかが有事の際接収されても株主の権利が保護されるようになっている。またロシュ社がヨーロッパ大陸の子会社を管理し,サパック社はイギリス,南北アメリカ,アジア,オセアニアの子会社を管理している。売上高313億スイス・フラン(2004年12月期)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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