ロボコン(読み)ろぼこん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロボコン」の意味・わかりやすい解説

ロボコン
ろぼこん

ロボットコンテストrobot contestの略。参加者が自分で製作したロボットを使い、さまざまな課題克服を競う大会の総称である。1977年にアメリカ電気電子学会(IEEE:The Institute of Electrical and Electronics Engineers)が提唱したことをきっかけに、1980年(昭和55)に日本初のロボコンとして全日本マイクロマウス大会(公益財団法人ニューテクノロジー振興財団主催)が開かれた。動作に必要な機能をすべてもった小型ロボットが、自律的な行動によって迷路出口までたどり着く早さを競う競技である。この大会は30年以上にわたり毎年1回開かれており、世界でもっとも古いロボコンと位置づけられている。近年はロボットが実用段階に達し、さまざまな目的でロボットを競わせる競技会が開かれるようになっている。2013年12月には、アメリカ国防総省高等研究計画局(DARPA(ダーパ):Defense Advanced Research Project Agency)が主催した災害対応ロボット競技会で、日本のベンチャー企業SCHAFT(シャフト)のチームが、参加4か国合計16チーム中で1位となった。

 日本では、NHK(日本放送協会)が主催し、競技会の模様がテレビ放映されているロボットコンテストがロボコンの代名詞的な存在になっている。このNHKロボコンは、全国の高等専門学校を対象に1988年(昭和63)にスタートした「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(略称、高専ロボコン)」がはじまりである。その後、1991年(平成3)からNHK大学ロボコンがスタートし、大学ロボコンの優勝者は、毎年1回、アジア太平洋地域の国と地域が参加して開かれているABU(アジア・太平洋放送連合Asia-Pacific Broadcasting Union)主催のABUアジア・太平洋ロボットコンテスト(略称ABUロボコン)に2002年(平成14)から出場している。2013年に開かれたABUロボコンでは8年ぶりに日本代表の金沢工業大学が優勝した。NHKロボコンは毎回出題される競技課題をこなすロボットを手づくりし、通常は対戦しながら勝ち上がっていく形式で行われる。2015年の大学ロボコンとABUロボコンの課題は、2台のロボットがチームを組んで協力しあい、バドミントンダブルスを戦う「ロボミントン」である。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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