ロンゴワルシト(その他表記)Ronggawarsita

改訂新版 世界大百科事典 「ロンゴワルシト」の意味・わかりやすい解説

ロンゴワルシト
Ronggawarsita
生没年:1802-73

インドネシア,マタラム・イスラム王朝の末裔であるスラカルタ王家最後の,そして最も優れた宮廷詩人(プジャンガ)。王都スラカルタに,宮廷詩人ヨソディプロ1世,同2世を祖父,父として生まれ,ポノロゴのイスラム塾(プサントレン)やテガルサリおよびデマックでジャワ神秘主義(クバティナン)とアラブ文学について修養を積んだ後,クディリでカウィ文学(古ジャワ文学)の研究に専念した。1844年スラカルタ王家の宮廷詩人に任じられた。その詩は多数にのぼるが,没年の作品《暗闇の時代の詩》はジャワの古典的王朝イデオロギーの解体をうたったものとして名高い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のロンゴワルシトの言及

【プジャンガ】より

…インドネシア,ジャワの伝統的諸王国における宮廷詩人で,王権の秘義を伝えた。マジャパイト王国時代に長編叙事詩《ナーガラクルターガマ》を編んだプラパンチャ,マタラム歴代の王に仕えたヨソディプロ1世,2世,ロンゴワルシトなどが代表的とされる。プジャンガはその韻文詩によって王の事績をたたえ,王国の年代記を編むことによって王と王国の正統性を保証するとともに,秘義としてある伝統的知恵の体現者であった。…

※「ロンゴワルシト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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