改訂新版 世界大百科事典 「ローテファーネ」の意味・わかりやすい解説
ローテ・ファーネ
Die Rote Fahne
ドイツ共産党の前身であるスパルタクス団およびドイツ共産党の機関紙。〈赤旗〉の意。1918年11月9日のドイツ革命の日,革命の先頭に立った急進社会主義の非合法組織で,R.ルクセンブルクやK.リープクネヒトらに率いられたスパルタクス団の機関紙として創刊された。同年12月に同団を中心に共産党が結成されると,同党の機関紙となった。党の政治方針にそって,資本主義,ワイマール体制,ナチズム,社会民主主義のすべてを批判,攻撃した。19年の240日間を最高に,毎年繰り返し発行停止処分を受けながら,32年には13万部に達し,自由主義社会で最大の共産主義新聞として,国際共産主義運動にも指導的役割を果たした。ナチス政権が成立した33年2月27日に起こった国会火災事件の翌日に発行を禁止され,26/27日号をもってその歴史を終えた。しかしその後も非合法の形で,39年までベルリンで,41年まで外国で発行された。
執筆者:広瀬 英彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報