日本大百科全書(ニッポニカ) 「わし星雲」の意味・わかりやすい解説
わし星雲
わしせいうん
へび座にある散開星団と散光星雲が重なった天体。ヘビの尻尾のν(ニュー)星の先にあり、散開星団(カタログ番号M16またはNGC6611)の後ろに散光星雲(カタログ番号IC4703)が広がっている。赤い散光星雲(HⅡ領域)のほぼ中央に細長い暗黒星雲が重なり、ワシが翼を広げているようにみえることから、わし星雲とよばれる。距離は約8150光年。直径は約22光年。実視等級は6.4等、視直径は6分程度。近くに有名な散光星雲のオメガ星雲(M17)がある。わし星雲の中央部は星が非常に活発に生成されている領域で、1995年にハッブル宇宙望遠鏡により分子雲の後ろで星ができつつある情景が撮影され、後に「創造の柱(Pillars of Creation)」と命名された。8月初旬の午後7時ごろに南東の空に、午後9時ごろに南の空に見える。
[編集部 2022年12月12日]