尻尾(読み)しっぽ

精選版 日本国語大辞典 「尻尾」の意味・読み・例文・類語

しっ‐ぽ【尻尾】

〘名〙 (「しりお(尻尾)」の変化した語か)
① 獣などの尾。しりお。
※雑俳・柳多留‐一一(1776)「尻ッぽから先きへ書出すとりの絵馬
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉四「べらばうにしっぽの長へさるがゐるぜ」
② 魚の尾びれ
③ 細長いものの、はし
※黄表紙・長生見度記(1783)「顔見せ切落しを陳皮買あるく。尻尾をつけて投げるなどは、とんとない事」
④ 順位の末のほう。後方
※崖の下(1928)〈嘉村礒多〉「彼は独りちょこちょこと列の尻っぽに小走り乍ら跟いて行く」
隠し事、ごまかしなどが表面に現われるいとぐち。ぼろ
※滑稽本・風来六部集(1780)放屁論追加「其糟を餔(くら)ひ其銭をせしめんと思ひ付きしを早くも卯雲木室君に尻尾(しっポ)を見出され」
[補注]一般に「しりお(尻尾)」の変化した語と考えられているが、「しりほ」の変化とも考えられる。その場合、「ほ」は「稲穂」の「ほ」、「ほに出る」の「ほ」で、突出したものの意であろう。

しり‐お ‥を【尻尾】

〘名〙 獣(けもの)などの尻にはえた尾。しっぽ。尾。
俳諧焦尾琴(1701)頌「胸にたく尻尾の灸や浅間山午寂〉」
文明開化(1873‐74)〈加藤祐一〉二「隣町の頭犬は、本意なく尻尾(シリヲ)を垂れて帰って仕舞ふたといふ事」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「尻尾」の意味・読み・例文・類語

しっ‐ぽ【尻尾】

《「しりお」の音変化》
動物の尾、また、魚の尾びれ。「犬が尻尾を振る」
尾に似たもの。また、細長いものの末端。「行列尻尾に並ぶ」
隠していたことやごまかしが現れる端緒
[類語]尾っぽ

しり‐お〔‐を〕【尻尾】

動物の尾。しっぽ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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