ワタカビ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワタカビ」の意味・わかりやすい解説

ワタカビ(綿黴)
ワタカビ
Achlya

藻菌類卵菌類ミズカビ目ミズカビ科に属する水生の糸状菌。池,沼,湖などの水中に落ちた植物体や昆虫死体などによく発生し,約 50種ほど知られる。円筒形または棍棒形の遊走子嚢を生じ,熟すると遊走子が頂孔から一斉に出て,そこに球形の塊となって休む。その後個々細胞から内容が膜外に出て,第2次の遊走子となり,2側毛で泳ぎ去る。やがて基質となる種々の有機物に泳ぎついて,そこで発芽し,再び糸状の菌体となる。なお,生卵器と造精器とを生じ,これが直接に接触して,いわゆる配偶子嚢接合をすることにより,生卵器内の卵子接合子となる。少数のものがイネの苗などについて根腐れ病を起し,いわゆる寒害の原因となる。5℃前後のときに活発に繁殖する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワタカビ」の意味・わかりやすい解説

ワタカビ
わたかび
[学] Achlya

真核菌類卵菌類、ミズカビ目ワタカビ属のカビの総称。水中の有機物上に着生して腐生生活を行うが、基質に着生したようすが綿のようにみえることから、ワタカビの名がある。

[曽根田正己]

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