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寒害 カンガイ

百科事典マイペディアの解説

寒害【かんがい】

冬季の低温のため農作物の受ける被害。寒波襲来により一時的に起こる場合と,長期間の低温の持続による場合とがある。前者では温度が0℃をはるかに下回り,植物体の細胞結氷により水分を奪われて機能を失い,ついに植物体の枯死を招くこともある。

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世界大百科事典 第2版の解説

かんがい【寒害】

広義には凍害凍上害(凍上)も含むが,一般には冬季の異常低温のために農作物が受ける被害をいう。積雪地帯では熱伝導の遅い空気を含んだ雪が保温作用をするので気温が低くても雪におおわれた植物は寒害を免れる。寒害は植物の種類や用途によって異なり,観賞用の植物のように葉先が変色しても商品価値の減ずるものから,枯死しない限りは被害の少ない作物までいろいろである。また被害部位が葉・茎・果実等のどこであるかによって被害の状況は異なる。

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大辞林 第三版の解説

かんがい【寒害】

不時の気温の低下によって、農作物などが受ける被害。冷害。 「 -にあう」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寒害
かんがい

冬から早春にかけて、異常な低温により、主として果樹や越冬する農作物が受ける被害をいう。凍害と同じである。短期間に異常低温が来襲して、農作物が部分的に枯死する場合が多いが、比較的長期間低温が続き、農作物の生育が遅延する場合も寒害といえる。
 寒害を受ける温度は、果樹や農作物のそのときの耐寒性で異なり、耐寒性はそれまでの気候の状態、肥培管理などによって異なる。温暖な気候のあとや、窒素肥料などを与えすぎると耐寒性は弱くなる。しかし一般にムギでは地表温度が零下5℃、ミカンは零下6.5℃以下になると寒害を受ける。
 寒害の機構は、凍結により細胞内の水分が奪われて、細胞液が濃度を増し、さらに原形質も水分が少なくなり凝固して、ついには原形質の分離がおこるためとされている。しかし温度が高まると、もとに戻って、なんらの害を受けないものもある。ツバキ、アオキなどはその例である。
 寒害を防ぐには、耐寒性を強めるために、窒素肥料を控え、カリ塩や草木灰を与える。冬野菜などはよしずで覆いをして夜間の放射冷却を防ぐ。また敷き藁(わら)、敷き草をして地温の低下を少なくする。ミカンなどは薦(こも)で囲んだりする。
 寒冷地でも積雪地帯は、積雪が保温効果をもたらすので寒害はおこらない。したがって、冬に雪の少ない東北地方南部の太平洋沿岸から関東地方にかけてが、もっとも寒害の危険地帯となる。[安藤隆夫]

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