タイの首都バンコクのタイ王宮敷地内にある王室専用の寺院。◇正式名称は「ワットプラシーラッタナサーサダーラーム」(Wat Phra Sri Rattana Satsadaram)。「ワットプラケオ」は、タイ語で「プラケーオ」と呼ばれる翡翠(ひすい)の仏像(エメラルド色をしていることから「エメラルド仏」と通称される)を安置した寺院の俗称で、この本尊仏にちなんで「エメラルド寺院」(The Temple of the Emerald Buddha)とも呼ばれている。ワットプラケオの名を持つ寺院は、バンコクのほか、チェンライ、カムペーンペット県のカムペーンペット歴史公園内などタイ各地にある。エメラルド仏はタイばかりでなく東南アジアの上座部仏教(小乗仏教)の信徒の信仰を集める有名な仏像で、その来歴は定かではないが、タイやラオス各地を転々とした。各地にワットプラケオがあるのは、そうした歴史による。このバンコクの寺院は、タイ王国の現王朝の始祖ラマ1世がラオスのビエンチャンにあったエメラルド仏をバンコクに持ち帰り、国家の守護神として安置するために建立された。