ヲコシリ場所(読み)をこしりばしよ

日本歴史地名大系 「ヲコシリ場所」の解説

ヲコシリ場所
をこしりばしよ

西蝦夷地のうち、オコシリ島(奥尻島)全域を対象として設定された場所(持場)名。「福山秘府」に元禄二年(一六八九)二月「賜西部遠己之利をこしり于明石豊左衛門尚政」とみえ、ヲコシリ島が明石尚政に与えられたとする。尚政は同四年三月には江差に置かれた檜山奉行に任じられている(同書)。ヲコシリ島は檜山奉行領として付されたのかもしれない。享保二年(一七一七)には無住地であったが(松前蝦夷記)、同年の御巡見使御下向ニ付キ申合覚(市立函館図書館蔵)に「冬期春漁奥尻島に出稼し、オットセイ・鰊漁」を行っていたとあり、早くからオットセイ猟と鰊漁の出稼者があった。元文三年(一七三八)にヲコシリは江戸留守居職の河合恒右衛門領とされた(福山秘府)。「松前随商録」には「ヲコシリ島」は松前藩江戸御留守居領で、昔は住人がいなかった。材木が多く、狐・狸が多い。商人が渡海し、商いをすると記される。また「オグシリ」として江戸屋敷留守居の知行地で、安永年中(一七七二―八一)の運上金は一五両ほどであった。「西蝦夷地場所地名等控」には「奥尻島 夷人無之、江差村之沖在。河合浅右衛門給地。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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