日本歴史地名大系 「ヲコツヘ」の解説
ヲコツヘ
をこつへ
アイヌ語に由来する地名。本来は河川名であったと思われるが、コタン名・岬名としても記録されている。当地一帯は近代に入り十勝村に包含された。仮名表記は「ヲコツヘ」(「蝦夷巡覧筆記」、木村「蝦夷日記」、「東行漫筆」、島「入北記」、「場所境調書」、「蝦夷日誌」一編、「廻浦日記」)、「オコツヘ」(観国録)、「ヲコツベ」(東行漫筆)のほか「ヲコツペツ」(板本「東蝦夷日誌」)、「ヲコヘツ」(東行漫筆)もある。語義について「東行漫筆」に「つながりたるをヲコツと云」「此先ニも又一川小河あり。此川と続て繋ぎたる川なれバとてやはりヲコツベと名を備ふ」(文化六年四月二一日条)とあり、「地名考并里程記」もまた「夷語ヲコツペとは、つらなる所と訳す。扨、ヲコツとは繋くと申事。ペは所と申事にて、此川二タ跨になりてある故、此名ありとそ」とする。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報