をもて

精選版 日本国語大辞典 「をもて」の意味・読み・例文・類語

を‐もて

連語〙 (「をもって」の促音の無表記) 動詞の具体的な意味が薄れて、格助詞的に用いられる。
① =をもって
※地蔵十輪経元慶七年点(883)五「香湯をもて澡浴し衣鉢を奉施して」
平家(13C前)四「山鳥の尾をもてはいだるとがり矢二筋」
② =をもって
※地蔵十輪経元慶七年点(883)四「信心有ること无きことをもて、諂曲愚癡なり」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一「其服装をもて考ふるに、さまで良家の子息にもあらねど、さりとて地方とも思はれねば」
③ =をもって
※地蔵十輪経元慶七年点(883)一〇「吾、今、此の地蔵十輪大記の法門を持(モテ)汝が手に付属す」
[補注]近世以後は、「をもて」を文字通りオモテと読むのが普通となった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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