アイシンギョロ(読み)アイシンギョロ(その他表記)Aisin Gioro

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アイシンギョロ」の意味・わかりやすい解説

アイシンギョロ(愛新覚羅)
アイシンギョロ
Aisin Gioro

中国,清朝王室の姓。清は満州人の建てた王朝で,アイシンは満州語で「黄金」を意味するが,ギョロの意味は明らかでない。清朝の開国説話によれば,天女の子として生れた始祖のブクリヨンションがアイシンギョロ姓を称していたが,もとより事実ではない。満州人の姓にはイルゲン (平民の意) ギョロ,シリン (地名) ギョロなど「ギョロ」のつくものがいくつかあるが,アイシンギョロ姓は,これらギョロを名のるギョロ姓のなかで自己の尊貴を示そうとして清初に作為されたもののようである。なおアイシンギョロ姓の清朝の皇族のうち太祖ヌルハチ (奴児哈赤)の父顕祖タクシ (塔克世) の子孫はウクスン (宗室) といい,タクシの伯叔兄弟の子孫はギョロ (覚羅) と称して区別した。

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世界大百科事典(旧版)内のアイシンギョロの言及

【愛新覚羅】より

…中国,清朝帝室の姓。満州語でアイシンギョロAisin gioroという。清の太祖ヌルハチ家は元来ギョロ(覚羅)姓を称していたが,ヌルハチは1583年(万暦11),祖父と父を殺害したニカンワイランに復仇するため挙兵した際,アイシンギョロを初めて名乗ったとされる。…

※「アイシンギョロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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