アカウサギ(読み)あかうさぎ(その他表記)red hare

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカウサギ」の意味・わかりやすい解説

アカウサギ
あかうさぎ
red hare
rock hare

哺乳(ほにゅう)綱ウサギ目ウサギ科アカウサギ属に含まれる動物の総称南アフリカ共和国からケニアまでの岩が多い地域に生息する。本属Pronolagusのウサギは、研究者によって3~9種に分けられている。体長は35~50センチメートル、尾はアナウサギよりも長く、5~10センチメートル。毛色赤みがかっているのでこの名がある。ノウサギhareよりもアナウサギrabbitに近いが、red hareの英名があてられることが多い。ウサギには鳴かないものが多いが、この属は危険を感じると高い声で鳴く。アマミノクロウサギメキシコウサギとともにムカシウサギ亜科に属する「生きた化石」的な存在である。

[林 良博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のアカウサギの言及

【ムカシウサギ(昔兎)】より

…ウサギ目ウサギ科ムカシウサギ亜科Palaeolaginaeの哺乳類の総称。始新世後期(約4000万年前)に出現し,漸新世から中新世にかけてアジアと北アメリカで栄え,13属が知られたが,鮮新世末に出現し,洪積世に栄えたウサギ亜科のものに生活の場を奪われてほとんど絶滅し,今日ではアマミノクロウサギPentalagus furnessi(英名Ryukyu rabbit)(イラスト),3種のアカウサギPronolagus(英名red rabbit),およびメキシコウサギRomerolagus diazi(英名volcano rabbit)の3属5種が残存するのみである。いずれも下あごの第3前臼歯(ぜんきゆうし)の構造に著しい特徴がみられ,その歯を咬面(こうめん)から見ると内側と外側から深い切れ込みがあり〈呂〉の字形を呈し,〈コ〉の字形のウサギ亜科のものと異なる。…

※「アカウサギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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