アスワン・ダム(読み)アスワンダム

百科事典マイペディア 「アスワン・ダム」の意味・わかりやすい解説

アスワン・ダム

エジプトアスワン市街南方5km,ナイル川にある多目的ダム。1902年完成,1912年,1934年に改修,拡張された。堤長2140m,堤高51m,貯水量55億m3バットレスダムで,灌漑(かんがい),発電(年間発電電力量18億6000万kWh)に利用。エジプトの綿花生産を増大させたが,渇水年には貯水量が不足するため,のちにアスワン・ハイダムが建設された。
→関連項目アスワン

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世界大百科事典(旧版)内のアスワン・ダムの言及

【アスワン・ハイ・ダム】より

…ナイル川のアスワン付近での年間流量は豊水年で1510億t,渇水年で420億tと大きく変化するので,これを平滑化して有効に利用することは川沿住民にとって古くからの悲願であった。1902年にこの地点に完成し,その後2回かさ上げされた貯水量50億m3のアスワン・ダムによって,エジプトの綿花の生産高は3倍に躍進した。しかしこのダムの貯水量は年流量の5%にすぎず,渇水年には貯水量が著しく減るなど,まだ多くの問題が残っていた。…

【ナイル[川]】より

…さらに積極的な治水・利水技術として,増水期の水を貯水し,減水期に放水するためにはダムが建設されなければならなかった。 アスワン・ダムはこの目的で建造されたもので,1897年着工,1903年に完工し,それ以後何回か拡張工事が施された。アスワン・ダムの貯水能力は9億9000万m3であり,利用可能なナイル川の水のまだ一部分を貯水しうるにすぎなかった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」