アセット・アプローチ(英語表記)asset approach

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アセット・アプローチ」の意味・わかりやすい解説

アセット・アプローチ
asset approach

為替レート決定理論の一つで,資産 (アセット) 市場での需給に応じて為替レートが決るという考え方。従来為替レートは,基本的にフローである財市場のみで決定されると考えられてきた。しかし近年の国際的な資本取引増加に伴い,ストックである資産市場での取引外国為替市場での取引の相当部分を占めるようになり,資産市場で市場が均衡するように為替レートが決まるというアセット・アプローチの考え方が有力になってきた。この考え方では,為替レートの変化は外貨建資産価格の変化を示すものとして決定されることになる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアセット・アプローチの言及

【為替理論】より

… しかし,このフロー・アプローチは,外国為替市場のような,よく組織された市場における資本取引を取り扱うための理論的枠組みとしては不適切であることや,1973年以後の世界的な変動相場制採用の経験に基づく事実をうまく説明できないことなどから,次に述べる資産市場アプローチが登場してきた。
[資産市場アプローチ]
 資産市場アプローチ(アセット・アプローチ)では,外貨ストックの需給に着目する。そして,外国為替市場では自国通貨建資産と外国通貨建資産の相対価格としての為替相場が外貨ストックの需給を均衡させるように決定されると考える。…

※「アセット・アプローチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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