取引(読み)トリヒキ

デジタル大辞泉 「取引」の意味・読み・例文・類語

とり‐ひき【取引】

[名](スル)
商人と商人、または、商人と客との間で行われる経済行為。「外国企業と取引する」「取引先」
互いに利益を得られるよう交渉すること。「ライバル会社と裏で取引する」
[類語](1売買売り買い引き合い商い商売商行為交易トレードビジネス貿易輸出入通商商取引先物取引/(2交渉折衝裏取引闇取引ネゴシエーション

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精選版 日本国語大辞典 「取引」の意味・読み・例文・類語

とり‐ひき【取引】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ひっぱること。つかんで引くこと。
    1. [初出の実例]「闘諍(シャセイ)(〈注〉トリヒキ)し、(がうさいかうばい)(〈注〉いがみほゆ)す」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)二)
  3. 物品の売買、または、それに伴う金品の受け渡しを行なうこと。
    1. [初出の実例]「判形に又判形をうちそへて きづかひもなき銭のとりひき」(出典:俳諧・寛永十三年熱田万句(1636)一七)
  4. 商業またはその他の営利に関する経済行為をすること。商取引。
    1. [初出の実例]「或は又無産の山師が外国人の元金を用いて国中に取引を広くし」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉六)
  5. 互いに自分の利益となると思われる物品、行為、情報などを交換すること。
    1. [初出の実例]「争議売渡しとかその他資本家との取引は」(出典:プロレタリヤの女(1932)〈平林たい子〉二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「取引」の意味・わかりやすい解説

取引
とりひき
transaction

一般には、財またはサービスを対象として商人間、もしくは商人と消費者の間で行われる売買行為をいう。取引に関する取引物の種類・数量・価格、引渡しの場所・時期・方法、代金支払方法などを、取引条件という。取引条件は、取引契約書のような文書もしくは口頭により、取引当事者間で決定される。頻繁に取引する相手を取引先といい、取引先との関係を取引関係にあるという。銀行取引はこの代表例である。

 簿記会計用語としての取引は、通常の取引概念よりもはるかに広範な内容を含み、企業の財産や資本の価値に変動を及ぼす金銭的計算の可能なすべての事実をいう。このような取引には、商品売買、代金授受、金銭貸借、財産の購入・建設はもとより、財産や商品の破損・滅失・盗難・無償贈与・無償取得・減価物価為替(かわせ)の変動による財産価値の騰落、貨幣価値変動による財産の評価替え、火災や戦争など物理的・経済的理由に基づく財産の減価なども含まれる。これらの取引は、損益発生を伴うか否かにより損益取引と交換取引に、現金を基準に現金取引と振替取引に、場所によって外部取引と内部取引に、記録時点によって期中取引と期末取引(決算取引)に分けられる。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「取引」の意味・わかりやすい解説

取引
とりひき
transaction

簿記・会計上の概念。企業の財産および資本に変動を与える事象のうちで,すでに実現したもの,ないし将来確実に実現しうるものであって,計数的に把握することのできる事実をいう。したがって簿記上,資産,負債,資本,損失,利益に増減の生じないものについては記帳できないので取引とはみなさない。この点で俗にいう取引とは一致しない場合がある。たとえば物価変動,財産の焼失,盗難など一般には取引とみなさないものでも,企業の財産および資本に影響を与えるものについては簿記上の取引に含められる。取引は種々の観点から分類され,損益の発生に関連するか否かにより交換取引と損益取引に,現金収支に関連するか否かにより現金取引と振替取引に,さらに企業外部との関連か企業内部との関連かにより外部取引 (営業取引) と内部取引 (会計取引) にそれぞれ区分される。

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デジタル大辞泉プラス 「取引」の解説

取引

真保裕一長編小説。1992年刊行。公正取引委員会審査官主人公にした、ODA政府開発援助)をテーマにしたサスペンス・ミステリー。

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世界大百科事典(旧版)内の取引の言及

【決算】より


【企業会計上の決算】
 元帳の勘定記録に基づき,元帳勘定を締め切ることを決算closing the booksという。複式簿記では,企業活動を通じ企業の資産,負債および資本に影響を与えるいっさいの事象を取引と呼び,取引によってもたらされる相対立する二つの価値の流れ(たとえば商品の購入取引の場合,一方で商品という資産の増加と他方で現金という資産の減少というプラス量とマイナス量との価値の流れ)を2面から(複式で)記録する。この記録は取引の発生順に仕訳帳で行うので,仕訳帳には取引の歴史的記録が保有されることとなる。…

【商取引】より

…経済が自給自足の状態から脱して生産と消費が分離してくると商品の流通が発生する。商品が生産者から消費者の手に渡るまでの過程には,商品の物的な流通と所有権の移転があり,所有権の移転は商取引によって行われる。商取引は売手と買手,需要と供給とを結びつけ両者を調整する需給接合機能を果たしている。…

※「取引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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