精選版 日本国語大辞典 「資産」の意味・読み・例文・類語
し‐さん【資産】
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会計上の資産は、貸借対照表上、借方に計上され、企業により支配されている資源のこと。その本質は当該資源から生じると期待される将来の経済的便益である。
具体的には、現金や預金、売掛金や受取手形、貸付金などの金銭債権等のような貨幣性資産と、商品・製品等の棚卸資産、建物や機械などの有形固定資産、特許権や意匠権などの無形固定資産のような一定の方法で損益計算上費用化される費用性資産に分けられる。そのほか、土地や建設仮勘定、子会社・関連会社株式やその他有価証券などの投資勘定のような、貨幣性資産でも費用性資産でもないものもある。
そのほか、将来の獲得収益と対応させ、適正な期間損益計算を行うため、換金価値がない費用を次期以降に繰り延べるために資産として計上する場合がある。これを繰延資産とよぶ。しかし、すでに費消した費用の繰延べにすぎないため、資産負債アプローチ(資産と負債の定義や測定を重視して利益を計上する会計計算の枠組み)の視点からはその資産性に対して疑義があるとされる。外国文献では繰延費用と称されている。
資産概念の本質に関しては、たとえば、日本の企業会計基準委員会による「討議資料 財務会計の概念フレームワーク」(2006年12月公表)によれば、「資産とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源をいう。」(第3章「財務諸表の構成要素」第4項〔資産〕)と定義され、「支配」は、所有権の有無にかかわらず、報告主体が経済的資源を利用し、そこから生み出される便益を享受できる状態をいうとし、また「経済的資源」とは、市場での処分可能性の有無にかかわらず、キャッシュの獲得に貢献する便益の源泉をいい、実物財に限らず、金融資産およびそれらとの同等物を含むとしている。
国際財務報告基準(IFRS)でも、同様に、「財務諸表の作成および表示に関するフレームワーク」において、「過去の事象の結果として特定の企業により支配され、かつ、将来の経済的便益が当該企業に流入することが期待される資源をいう。」(第49項(A))と定義され、経済的便益については、企業に現金・現金同等物を流入させることに貢献する潜在能力としている(第53項)。
資産の期末評価に関しては、その測定基礎として、一般に、歴史的原価、現在原価、実現可能価額、現在価値があげられる。歴史的原価とは、資産を取得する際に支出した価額(またはその相当額)、いわゆる取得原価を基礎とするものであり、現在原価とは、期末時点で評価対象の資産と同一または同等の資産を取得したと仮定した場合に支払う価額を基礎とするものである。また、実現可能価額とは、資産を通常の売却や処分を行うことで流入する価額を基礎とするものであり、現在価値とは、事業に投下されている過程で将来にわたる正味の現金流入額を合計し、貨幣の時間価値を考慮して現在価値に割り引いて計算したものを基礎とする。
[近田典行]
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…財産は,経済学上は簿記用語として用いられるし,法律上は,憲法に財産権の保障の規定(憲法29条)がみられるし,刑法では財産刑の対象となるが,最も多く用いられる法領域は民法,商法および各種の税法である。 簿記用語としては,財産とは一定会計単位組織の有する権利・義務のすべてを含むものとされ,それらは,積極財産(資産)と消極財産(負債)とに分類される。そして,積極財産はさらに有形資産と無形資産とに分けられ,前者は例えば現金,預金,商品,建物などであり,後者は売掛金,貸付金,特許権,営業権のようなものであるといわれている。…
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