アップルトン(Sir Edward Victor Appleton)(読み)あっぷるとん(英語表記)Sir Edward Victor Appleton

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アップルトン(Sir Edward Victor Appleton)
あっぷるとん
Sir Edward Victor Appleton
(1892―1965)

イギリス物理学者ケンブリッジのセントジョンズ・カレッジを卒業後、J・J・トムソンらの下で研究した。第一次世界大戦で工兵隊電信将校として従軍した際、無線信号が周期的に強弱するフェーディングに注目し、ケンブリッジに戻って研究を始めた。1924年、フェーディングが直接波と電離層で反射した波との干渉に基づくことを示し、ヘビサイドらが予想した電離層(E層)の存在を立証した。その後さらに高層の別の電離層(アップルトン層F層)を発見した。この間、1924年にロンドン大学の物理学教授となり、1936年以降はケンブリッジ大学の自然哲学教授。彼が用いた方法はレーダー原理になるなど、その業績は大きい。「上層大気の物理学的研究、とくにアップルトン層の発見」により、1947年ノーベル物理学賞を受賞した。

[山崎正勝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例