アデン保護領(読み)アデンほごりょう(英語表記)Aden Protectorate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アデン保護領」の意味・わかりやすい解説

アデン保護領
アデンほごりょう
Aden Protectorate

アラビア半島の南海岸に沿って存在した,イギリスの旧保護領。イギリスと保護条約下にあったアラブの独立した部族集団で構成されていた。 1967年南イエメン人民共和国の独立とともに,その一部となり,のち現在のイエメン領となった。 27年までインド政府のもとにあったが,同年イギリス植民省に移管され,アデン市を中心とするアデン直轄植民地の総督の統治下におかれた。行政上,西アデン保護領と東アデン保護領に分けられ,前者はアデンにあるイギリスの政務官に指導され,そのスタッフが各地の首長に助言した。後者ハドラマウトとも呼ばれ,ムカッラーの政務官の指導下にあった。ソコトラ島もこの保護領に属していた。

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世界大百科事典(旧版)内のアデン保護領の言及

【イエメン】より

…17世紀にはオランダとイギリスがインド洋の覇権を競い,イギリス東インド会社は1618年,モカに商館を設けた。ナポレオンのエジプト遠征後,インド洋航路の中継地としてのイエメンの重要さに注目したイギリスは,1799年にペリム島(のち撤退),1839年にアデンを占領,54年にクリア・ムリア島,57年にペリム島の割譲を受け,68年から88年にかけてアデンの後背地を買収し,以上を一括してアデン植民地(1937年に直轄植民地)にするとともに,その東方の群小首長国とソコトラ島とを保護領(アデン保護領)にした。 アラビア半島のナジュドに興ったワッハーブ王国は,1804年にヒジャーズを併せ,翌05年にティハーマに進出した。…

※「アデン保護領」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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