日本大百科全書(ニッポニカ) 「アマラバティ」の意味・わかりやすい解説
アマラバティ
あまらばてぃ
Amaravatī
インド南部、アンドラ・プラデシュ州、クリシュナ川下流の南岸にある町。南インドの代表的仏教(密教)遺跡で知られ、アマラバティ大塔(南天の鉄塔)跡がある。地元ではディパルディン(光が丘)とよび、塔跡の一部を建築材として運び出したとき、1797年にここを訪れたイギリスのマッケンジーが発見した。1881年にイギリスの考古学者バージェスが発掘し、近年はインド考古局が調査した。最初の塔は紀元前200年ごろ建立され、紀元後150年ごろナーガールジュナ(龍樹菩薩)が増築し、250年ごろ完成した。直径50メートルの基壇上に覆鉢をのせ、四方の造り出し部分に各5本ずつ列柱(アーヤカ)を並べ、外側の欄楯(らんじゅん)にはジャータカや仏伝の彫刻があった。1323年イスラム軍に破壊された。
[江谷 寛]