アラフラ海真珠貝漁業事件(読み)アラフラかいしんじゅがいぎょぎょうじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アラフラ海真珠貝漁業事件
アラフラかいしんじゅがいぎょぎょうじけん

アラフラ海真珠貝採取をめぐって,日本とオーストラリアとの間に生じた事件。日本の漁業者は 19世紀以来アラフラ海の真珠貝漁業に従事してきたが,オーストラリアの 1952年の大陸棚宣言ならびに 53年の真珠貝漁業法の制定により,オーストラリアが同海域大陸棚に対する主権を有し,真珠貝の保護および真珠貝漁業の規制措置が外国人と外国船舶に及ぶことが明らかとなった。日本は同法が確立された国際法規の違反であると主張し,オーストラリアとの交渉を行うとともに,両国合意に基づいて国際司法裁判所への事件の付託をはかったが,付託のための特別合意の不成立によりこれは実現しなかった。大陸棚の天然資源には「定着生物」 (真珠貝がこれに含まれることはほぼ争いがない) が含まれることが一般的に承認されるようになるにつれて,同事件の争点は解消されるにいたった。

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