翻訳|Arafura Sea
オーストラリアとインドネシアとの間にあり,オーストラリア北岸,ニューギニア島南西岸,アルー諸島,タニンバル諸島などに囲まれる海域。東西約1300km,南北約600km,面積約65万km2。大陸棚の浅い海域で,トレス海峡とともに航行の障害となる浅瀬が多い。名称は〈自由人〉(アルー諸島人を形容)を意味する古いポルトガル語に由来する。1931年から第2次世界大戦まで日本船が真珠貝を採取した(最盛時3840t。1937)。戦後は53年(967t)から再開したが,大陸棚資源に対する主権をめぐってオーストラリアとの間に漁業紛争が生じたうえ,採取量も減少し,日本の企業による採取は62年に中止された。
執筆者:谷内 達
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
オーストラリアとインドネシアとの間の海域。オーストラリア北岸(アーネム・ランド)、カーペンタリア湾、トレス海峡、ニューギニア島(西イリアン)南岸、アルー諸島、タニンバル諸島およびチモール海に囲まれ、東西約1300キロメートル、南北約600キロメートル、面積約65万平方キロメートル。大陸棚の浅い海域で、ニューギニア島とオーストラリア大陸とをつなぐ陸地が、後氷期の海進で海となった。水深50~80メートルの部分が多い。浅瀬が多く、トレス海峡とともに海難の原因となっている。名称は、自由人(アル諸島人を形容)を意味する古いポルトガル語に由来する。1931年(昭和6)から、日本船がシロチョウガイ(ボタン用)を採取し、最高時3840トン(1937)を採取したが第二次世界大戦によって中断した。戦後、1953年に再開されたが、大陸棚資源の主権を主張するオーストラリアとの交渉が難航し、紛争となった。採取量も967トン(1953)から減少し、1962年に中止された。
[谷内 達]
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