アリゾナ州立大学(読み)ありぞなしゅうりつだいがく(英語表記)Arizona State University

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリゾナ州立大学」の意味・わかりやすい解説

アリゾナ州立大学
ありぞなしゅうりつだいがく
Arizona State University

アメリカ合衆国アリゾナ州のテンペ市Tempeに本部がある州立大学。1885年、師範学校として出発しつつも、工業および農業技術、法律など、市民の育成に必要な幅広い教育の役割も期待された。1958年には総合大学となり、人文学、ビジネス、理学など多様な学問分野にわたる教育プログラムを提供するとともに、研究機能を兼ね備え、名称も今日と同じArizona State Universityとなった。

 近年では、同州トゥーソンにあるアリゾナ大学University of Arizonaと並んで、アリゾナ州の代表的な研究大学と目されている。工学系の研究レベルの高さにはとりわけ定評があり、このことは、2006年に入ってグーグル社Google,Inc.がテンペ・キャンパス内にオフィスを新規に開設する計画を発表したことにも表れているといえよう。この計画は、グーグル社が、質の高い職場環境と同大学の教育への貢献を意図してのことであった。

 もっとも古いテンペ・キャンパスに加え、現在は3つのキャンパスが存在する。州都フェニックスにあるウェスト・キャンパスthe West campusでは、リベラル・アーツ教育(幅広い教養教育)の伝統を継承しつつ、現代の職業教育のニーズにも応え、メサMesaにあるポリテクニク・キャンパスthe Polytechnic campusでは、応用科学テクノロジー統合を試みている。そして、フェニックスの中心部を活性化すべく、ダウンタウン・フェニックス・キャンパスthe downtown Phoenix campusが2006年に完成した。

 2007年現在、学生総数は6万1033名にのぼり、全米屈指の大規模大学となっている。とくに、メインのテンペ・キャンパスにおいては学生数5万人を超え、全米でも第2位の規模を誇る。海外からの留学生も多く、広大なキャンパスとそれを取り巻く国際色豊かな街は、「全米でもっとも魅力的な十大キャンパス街の一つ」とニューヨーク・タイムズ紙から評されたこともある。

[杉谷祐美子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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